レジストリサービス評価プロセス – 競合問題に関する前審
すべての翻訳されたコンテンツおよび文書の英語版が公式版であり、英語以外の言語の翻訳版は情報提供のみを目的として作成されたものです。
ICANNのレジストリサービス評価ポリシー(RSEP)は、ICANNのコンセンサスポリシー策定プロセスを通じて策定されました。レジストリサービス評価ポリシーの第1.1節(http://www.icann.org/en/resources/registries/rsep/policy)で定義されているように、すべてのgTLDレジストリ運用者は、新しいレジストリサービスの要求を提出する場合、RSEPに従う必要があります。
各RSEP要求に対するICANNの検討事項の1つは、ICANNが提案されたレジストリサービスが「重大な競合の問題を引き起こす可能性があるかどうか」を事前に合理的に判断しなければならないことです。重大な競合問題が発生する可能性についての審査は、レジストリサービスワークフロー図(http://www.icann.org/en/resources/registries/rsep/workflow)にある「ICANNによる前審」段階で実施される業務の1つです。
RSEPの要求が重大な競合問題を引き起こす可能性があるかどうかを審査する場合、ICANNは下記について審査します。
- 1. レジストリによってRSEP要求が提出され、ICANNの完全性の審査が完了すると、法律顧問はRSEP要求によって競合問題が発生する可能性があるかどうかを審査します。1審査の対象となる主な点は以下の通りです。
- 価格の問題 - RSEPの要求によりレジストリサービス(本ポリシーに定義されている)の価格の設定や変更を発生させたり影響を及ぼしたりすると合理的に判断される場合に限り、価格要素による反競争的な影響の可能性が分析されます。
- 市場定義の問題:
- 提案されたレジストリサービスによって作成される、あるいは影響を受ける市場を特定します。
- 市場への影響が発生する可能性がある場合は影響を分析し、影響の重要性(テクノロジー市場におけるイノベーション効果の可能性を含む)を分析します。
- 影響を受ける可能性のある他の市場が存在し、その重要性を分析します。
- 分配の問題:
- 提案されたレジストリサービスが、製品または市場の分配をもたらすと合理的に判断されるかどうかを分析し、判断されれば、潜在的な競合効果を分析します。
- 提案されたレジストリサービスが、特定の顧客またはレジストラに有利になると合理的に判断されるどうかを分析します。
- 他のレジストリの運用への影響、およびその影響が競争にどのように波及するかを分析します。
- この分析に基づいて、法律顧問は競合の問題に関する前審を決定します(つまり、重大な競合問題ではない、あるいは重大な競合問題を発生させることはないかどうかを決定します)。
- 重要な競合問題が発生しないと前審で決定された場合、競合に関する審査が完了します。
- 重要な競合問題がRSEP要求によって発生する可能性があると前審で判断される場合、ICANNは法律顧問を介して、問題を管轄する適切な競合機関または問題に対する管轄権を持つ公的機関にその問題を付託します。適切な競合機関は、広範囲の管轄区域を基準に決定されます。
- この決定要因は次のとおりです。
- 要求しているレジストリの場所。
- 影響を受ける可能性のある事業者(レジストラまたはレジストラントなど)の地理的な分散状況とその密度。
- 該当する場合には、地理的な市場効果が生まれる場所。
- たとえば、米国のレジストラントが大半となる米国を拠点とするレジストラがレジストリサービスを提案する場合、米国司法省の反トラスト局または連邦取引委員会に付託される可能性が高くなります。欧州連合(EU)のレジストラントが大半となる欧州連合(EU)加盟国のいずれかを拠点とするレジストラがレジストリサービスを提案する場合、欧州委員会に付託される可能性が高くなります。複数の管轄区域にわたってレジストラント(または影響を受ける他の事業)が広範に存在している場合、競合の影響が発生する可能性のある複数の管轄区域にその問題をICANNが付託する可能性が高くなります。
- 管轄の審査と付託は、競合機関が確立されていない世界の地域で重大な競合の影響が予想される場合により複雑な問題となり、国際競争法専門家との諮問によりガイダンスが提供される場合があります。
- この決定要因は次のとおりです。
1ここで説明する競合の審査を支援するために、競争法(独占禁止法)を専門とする外部の法律顧問に諮問することが多くあります。